クレジットカード会社の4つの収益

クレジットカード会社の収益構造

クレジットカード会社は、銀行系信販系、流通系、メーカー系といった系列やその成り立ちで収益構造にはかなりの違いがみられる。また最近はFXなど信用保証業務や外部からの業務委託など儲けの間口が広がっているため、その差はさらに大きくなっているが、カードからあがる収益の構造はだいたい次のようなものだ。

 

クレジットカード事業の収益は、「年会費収入=キャッシング金利収入」「加盟店手数料収入」「分割払い、リボ払い手数料収入」の4本柱からなっている。「年会費収入」は、カード会員から毎年徴収する費用で、一般力ードで1250円程度、ゴールドカードで1万円程度がカード会社に入ってくる。その中からカード盗難保険料や旅行傷害保険料などを払うが、年会費収入はその多くがカード会社の収入となるの大きくなる。経営にあたっては最も当てにできる収益といえるが、最近は流通系カードを中心に、年会費永久無料や初年度無料の力ードが増加しているため、年会費は安定的な収益源ではなくなってきている。

 

キャッシング金利収入には、会員がキャッシングサービスやローンを利用した場合に、カード会社に入ってくる収益のことで、ファイナンス事業とも呼ばれる。一般的な銀行系カードの一例では、翌月一括払いのキャッシングでは実質年率27.8%程度、リボルビングーローン払いで18%もの収入がある。調達金利が2%から3%という超低金利時代だから、大部分がカード会社の儲けになる計算になり、カード会社にとっては、利幅の稼げる重要な収益源となっていた。ところが改正貸金業法の成立で09年末には上限金利が大幅に引き下げになり、収益が激減することは確実である。

 

「加盟店手数料収入」は、会員がカードを利用した際に加盟店がカード会社に支払う手数料のことだ。平均すると3〜5%であるが、最近は新規参入者が相次ぎ、過当競争気味で、料率は年々下かっており、こちらもカード会社の経営を圧迫する大きな要因になつている。

 

「分割払い、リボ払いの手数料収入」は、会員が分割やリボ払いで買い物をした際に、カード会社に払う金利のことである。手数料率は実質年率12%から15%が一般的であるが、業界全体でもまだ取扱高が小さいため、一括払いに遠く及ばない。この比率をいかに縮めるかが各社の課題で、とくにキャッシングでは利益が見込めなくなったためにリボ払い普及にかける意気込みは強い。

 

この他にも、他のカード会社の一部業務を肩代わりする業務代行手数料、コンピュータや通信回線を他のカード会社に利用させるシステム関連手数料、会員向けに発行する会員誌購読料収入などがあるが、クレジットカード事業に関していえば、先に述べた四つの柱が中心となっている。

三者間契約がカード階差hの儲けを支えている

それにしてもクレジットカードくらい不思議なものはない。利用者は現金の持ち合わせがなくてもカードでモノを買ったり、サービスを受けることができる。加盟店は、お金を受け取らずに喜んで商品を提供してくれる。カード会社はいろいろなサービスを付けて、進んで仲介してくれる。利用者にとって、クレジットカードくらい便利なものはない。まるで魔法の杖のような働きをプラスチックのカードはやってくれる。

だが、心配になるのは、加盟店と力ード会社の方だ。どんどんサービスして両者とも本当に儲かっているのだろうか。この関係をはっきり知るには、三者間契約を知る必要がある。三者間契約とは、カード会社、加盟店、会員が信頼を軸に取引きしていることをいう。

カード会員になることで、利用者は手持ちの現金を持たなくても買い物ができる。一方、加盟店はカード会社の優良顧客の送客を受けて、売上増につなげることができる。カード会社は加盟店からの手数料と会員からの年会費をもらって事業展開を継続できる。実を言うとクレジットカードは三者三様、それぞれに十分にメリットを得て回っているのである。

なかでもクレジットカード会社にとっては、会員と加盟店との関係維持は最も重要な事項となっている。この二つを疎かにすれば経営は成り立たない。とくに90年代に入り国際ブランドの力が強くなってからは、カードを発行するイシュアという権利と加盟店を開拓するアクワイアラーという権利が重要なものになってきている。今のところ国内のカード会社は、国際ブランドのVISA、マスターからイシュアとアクワイアラーの権利を付与され、それぞれの事業を展開している。

イシュアの資格を取るとどんなよいことがあるかというと、自社のカードに国際カードを付けて発行できるようになるため、国内外で使えるようになり汎用性が一挙に拡大する。また、企業・団体と提携してさまざまな提携カードを発行することもできるから、カード事業は大きく発展する。

アクワイアラーの権利を取ると、自力で加盟店を開拓できるので自社カードの利用範囲を大きく広げ、カードの価値を高めることができる。さらに、新たに開拓した加盟店から他社カード利用の手数料の一部が入ってくる。たとえば三井住友カードがVTISAの加盟店を新規に開拓したとすると、その加盟店で、たとえばクレディセゾンのVTISAが使われた場合、三井住友カードにも加盟店手数料のうちの一部が入ってくるという利点がある。

このように現在のカード事業は、イシュアとアクワイアラーの二つで回っている。この二つのキーワードで考えると業界を理解しやすい。

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